
大森林after
敵の仕掛けた地雷で、仲間達に気づいてもらい、樹海を脱出したジョーとフランソワーズ。
2人共2~3日休むだけで回復した。
…身体だけは。
フランソワーズは乗客を助けられなかった事、それよりも自分がジョーを撃った事が許せず、ジョーの顔すら見れなくなっていた。
ジョーはあの場合は仕方なかった。と言ってくれるけれど、ジョーを撃った瞬間の映像がフラッシュバックのようにフランソワーズを苦しめた。
数日後、パリに帰りたいと言うフランソワーズに、誰も異論を唱えなかった。
それが彼女にとって一番いい方法だと思ったからだった。
パリに帰っても、テレビや新聞は、冬季五輪代表が乗った飛行機の墜落事故を延々と放送している。
自国の選手も搭乗していた。
ジョーとフランソワーズの乗客名簿は、イワンの工作で痕跡を無くした。
全員絶望の文字に心が痛む。
兄も何かがあった事は理解しているようだが、黙って様子を見ている…という感じだった。
何となく居たたまれず家を出た。
バレエ学校時代通った道を歩いていた。
あの頃の夢は何処に行ってしまったんだろう…。
セーヌにかかる橋を歩きながら、バレエ学校の友達と、色々な話をしたな…。
角のお店の新しいスイーツの話
男の子の話
そして…飽きる事なく語った未来の自分。
「信じる事が大切よね、未来を信じて頑張れば、きっと夢が叶う…」
…信じたって…どうにもならない事もある…。
信じる…。
「愛は信じ合う事じゃないか?自分の愛も…な」
ふと、樹海で助けてくれたメガロの言葉が蘇る。
「愛は信じ合う事…」
ふと彼に逢いたいと思った。
でも…
自分から飛び出して来たのだから…。
ジョーを撃ってしまった事は消せないけれど、でもそれでも…彼に逢いたい。
そう思うと彼に逢いたくて仕方なくなっていた。
不思議とフラッシュバックもなくなっていた。
…みんなの所に帰ろうかな…
ジョーに最初に会った時、何を言ったらいいか…そんな事を考えながら橋を渡る。
橋からセーヌを眺めている人がいた。
よく「視」なくても誰かわかった。
今、一番逢いたい人…。
「ジョー‼︎」
ジョーはフランソワーズを見つけるとニコっと笑う。
「迎えに来たよ」
フランソワーズは頭で色々考えていた言葉を投げ出し、ジョーに抱きついた。
いきなり抱きついてきたフランソワーズに驚きながらも、優しく手を回すジョー。
「そろそろ落ちついた頃かな…と思って、追い返される覚悟でやってきました。」
はにかみながら笑う。
「ありがとう…ちょうど貴方に逢いたいと思っていた所よ」
「そう、よかった」
2人は夕焼けのパリの街を肩を並べて歩いて行った。
〜おしまい〜
2015.7.3