
喧嘩の仲裁
あいつらが喧嘩しているらしい。
また女絡みなんだろう。
全く優しすぎるって~のも罪なんだからと言っているのに。
お互い言いたいことを言ってしまえばいいのに、奴等の喧嘩はだんまりの冷戦状態だ。
これじゃあいつとばっちりが来るかわからない。
イワンは涼しい顔をしてこう言った。
「ぼくノ管轄外ダ」
相変わらず食えない赤ん坊だ。
ジェットは早速フランソワーズの元に行き
「あんな優柔不断やめとけよ、俺が幸せにするから」と言って叩かれていた。
…ジョーがその言葉を言えていればこんな事にはなっていないだろう。
「放っておくのが2人の為だ」
…とかなんとかわかったような事を言っているジェロニモだが、とばっちりを食らいたくないだけにも見えるぞ。
「こういうときはモリモリ食べるヨロシ」
ダイジン、旨いもの出してどうする?
ピュンマはフランスの文化が書かれた本を取り出してジョーに見せている。
「彼女とキミとは文化が違うんだから、勉強しなくちゃ」
島国の人間にそれは通用するのか?
おっと、もう一人忘れてた。
我がチームの大根役者だ。
お互いに変装し、素直に謝りに行ったらしい。
これが効果テキメンで、お互いにハグされそうになり、慌てて「後で」と逃げてきたそうだ。
案外簡単じゃねーか。
俺は何をしたかって?
ジョーに助言をしてやったさ。
「愛してるよ」とでも言って抱き締めてやれ…ってね。
経験者は語る…ってか?
…昔の話だ…。
2015.5.13
喧嘩の仲裁~ジェットバージョン~
まだ朝早かった。
テラスでぼうっとしているフランソワーズの姿を見つけた。
何してるんだ?
「オイ、どうした?」
「別に!!」
はは~ん、喧嘩だな。
原因は昨日助けた「あの子」だな。
ったく、しょーがねーなぁ…。
「オイ、今から出掛けるからコートを着て、そのスカート…パンツ見えると悪いからな、ズボンに履き替えてこい!!」
「パ!!」
フランソワーズが思いっきり非難の目を向ける。
「早くしねーと置いてくぜ」
フランソワーズの反応なんか無視だ。
これからスゲー所に連れてってやるんだからな。
言われた通り、昆布巻きみたいに着こんだフランソワーズがやって来た。
じゃ、行くぜ!!
昆布巻きを抱え、ジェット噴射する。
ギルモア邸から少し行った海岸線をジョーが走っているのが見えた。
立ち止まった。
見えたな。
高度を上げていく、雲を抜けた。
息が出来るギリギリの所で噴射を弱くする。
目をつぶっていたフランソワーズが、目を開けたのだろう。
「まぁ!!素敵!!」
「どうだ、スゲーだろ?」
「あなたばかりこんな景色を独り占めするなんてズルいわ」
「空にいると、自分がちっぽけに思えてくるのさ、つまんねー悩みもバカバカしくなる」
「そうね」
「ジョーはジョーなんだから仕方ねーだろ?そんなアイツに惚れたお前が悪いんだ」
「そうかしら?」
「俺達が昇っていくのアイツに見えてたぜ、今頃走ってギルモア邸に戻っているさ、で、こう言うんだ『ジェット!!何やってるんだ!!誰かが見ていたらどうするんだ?既に都市伝説と騒がれているのに!!』」
「似てる!!似てる!!」
やっと笑ったな。
「さて…と、ジョーさんのお説教でも聞きましょうかね」
ジェットの思惑通り、テラスにはジョーが待っていた。
「ジェット!!何やってるんだ!!誰かが見ていたらどうするんだ!!既に都市伝説と騒がれているのに!!」
俺とフランソワーズは顔を見合せ吹き出した。
「何笑ってるんだ!!こっちは真面目に話してるんだ!!」
俺とフランソワーズは笑いが止まらなかった。
ギルモア邸は今日も平和だ。
2015.5.14