top of page

Friend

「目…覚めたか?」

覗き込んだその顔は不安そうだった。

いつも強気な彼にしては珍しい。

「側にいてくれたの…ありがとう」

彼は照れ隠しのようにソッポを向き

「ジョーが帰ってくるまでだ」

と素っ気なく言う。

なんだか可笑しくなって笑い出す。

「何が可笑しいんだよ!!」

「ごめんなさい…あなたらしくないなって」

「…俺のせいで怪我させちまったんだからな」

「そんな事はないわ、あの場合は誰のせいなんて言えないもの」

「ジョーに怒られる覚悟だけは出来てるぜ」

あなたがジョーに素直に怒られるのかしら?

また可笑しくなりクスッと笑う。

「だーかーらー!笑うなっつうの!!」

「だって…可笑しいんですもの」

何もないのに2人で笑い出す。

「あの頃は…こうやって2人で笑う事なんてなかったわよね」

「気の強ぇー女だなって思った」

「え?」

「第一印象」

「あなたは… C'est impossible!」

「あん?」

「ありえない、信じられないって感じ」

「言ってくれるねぇ~」

「あの時はいつも2人きりだったわね」

「何が起こったのかもわからないまま、喧嘩ばかりしていたな」

「相性サイアクだったわね」

「お前が少しは女らしくしていればよぉ!」

「あなたはちっとも優しくない!!」

また顔を見合わせ笑う。

「あ、ジョーが帰って来たみたい」

「お説教の前に逃亡だな!」

「うまく丸め込むくせに」

「何でわかるんだよ!」

「長い付き合いだからよ」

フランソワーズはそう言うと、その場を去ろうとしたジェットを引きとめた。

​2017.5.24

 

bottom of page