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invitation

夏のある日に届いた「招待状」


宛名もなく

ただ

今日の日付と19時半

そして

座標だけが記されていた。


それはフランソワーズに宛てた招待状だった。

いったい何?

聞きたくともこの家には誰もいない。

ジョーも
イワンと博士と一緒に学会へ出かけたきり。




時間前に座標通りの場所に立つ


この場所にたどり着くまで、夜なのに沢山人がいると思っていた。
段々人が少なくなり、そして誰もいなくなる。


腕時計で時間を見る

19時半

その瞬間

目の前に大輪の花火


「綺麗…」


この土地では今日花火大会だったのだ。


座標のこの場所はなかなか「普通の」人が来れる場所ではなく、花火を独り占め出来た。


ふっと目の前に人が現れる。

「ジョー!やっぱりあなただったの?」

日本にいないジョーの姿

「よかった、間に合った!」

「帰って…来たの?」

「まだ帰れないんだ、イワンに用事あるから少しの時間飛ばしてくれないか?と頼んだんだ」



少しの時間…



「この場所を教えたかったんだ、花火大会の日に日本にいないってわかったら、どうしてもキミに教えたくなって」



ジョーがフランソワーズに近づく

 


「もう時間みたい、もっと一緒に見たかったけれど…」

抱き寄せてキスをする。

 


「会いたかった」



足元から消えていく

近くで感じていた温度が急速になくなっていく

消える直前もう一度キス

瞬間ふわっと無になった。



フランソワーズは何もなくなった両手をだらんと下げる。

 



私だって…どんなに会いたかったか
でも我慢していたのに

こんなの…
ズルい!

 


一瞬一緒にいれた人のいない花火なんて

 



一人きりにされて寂しさが増すことを…
あなたは気づいてはいない。

 



唇に触れた感触も
抱きしめられた温もりも

ただ

悲しいだけだ。

 




フランソワーズは美しい花火に背を向け、蹲り泣いていた。

 

 

2017.8.28



 

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