top of page

星の記憶

目を覚ました

 

身体を起こそうとしたら激痛が走る

 

歯を食いしばり身体を起こす

 

左手がやられているようだ

 

右手で左手を押さえる

 

 

ここは…

 

一体どこなんだ?

 

 

追いかけて戦って

 

記憶が

 

ない

 

 

あたりは真っ暗で視線の先には星が瞬いている

 

帰りたい

 

でも

 

どうやって?

 

 

 

 

こんな気持ち

 

前にどこかで…

 

 

 

 

その瞬間

 

 

頭の中に流れ込んだ「記憶」

 

 

 

 

 

 

幼い頃、虫取りに夢中になり、気がつくと知らない場所にいた

 

夜になり心細くなり泣いていた

 

 

あんなに帰りたくなかった施設が恋しくなった

 

 

 

その時

 

星が瞬いた

 

帰り道を教えているように

 

 

必死にその星を追いかけた

 

 

そして施設に帰ることが出来た

 

 

 

 

もう忘れていたのに

なんでそんな事を思い出した?

 

 

 

そうか

 

 

この星は…

きっと

そうだ

間違いない

 

 

 

痛む腕を庇いながら、暗い道を進む

 

この星を追いかければきっと

 

 

みんなが待っているベースキャンプにたどり着くはずだ

 

 

そして

そこには

 

 

今の僕の帰るべき場所

 

「よかった、無事で」と優しく抱きしめてくれる人がいる

 

 

 

こうやっていつも見守ってくれているんだね

 

 

ありがとう

 

 

 

星が強く瞬いた

 

…ような気がした

 

 

 

 

 

2018.7.7

bottom of page