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star festival
テラスに括られた笹の葉には、沢山の短冊が下げられている。
自国にはない風習にロマンティックだと、毎年張り切って短冊を下げるフランソワーズ。
沢山の短冊には何も書いていない。
「毎年思うんだけど…」
テラスの笹から短冊をつまんでジョーが聞く。
「どうして願い事書かないの?」
フランソワーズは困った顔をする。
「上手く書けなくて」
「上手くって…ただ願い事書けばいいだけでしょ?」
「じゃあジョー書いてよ」
ジョーは空を見上げる。
夜空には満点の星空
「すごい星だな…今日は織姫と彦星再会出来てるんだろうな」
「1年に1度しか逢えないなんて…」
「子供の頃…」
空を見上げたままジョーが語り出す。
「短冊にはいつも『お母さんに会いたい』って書いていた」
フランソワーズはまだ空を見上げたままのジョーの隣に並ぶ。
「いつからか、叶わない願い事だとわかり、それからは何にも願わなくなった」
ジョーは空から視線を隣のフランソワーズに下ろす。
「僕の心の短冊は、今ここにある短冊と同じだな。何にも書いていない」
「違うわよ」
フランソワーズの言葉にジョーは「え?」と口にする。
「何も書いていないかもしれないけれど、私の心の短冊には沢山の願い事が書いてあるわ…例えば」
「例えば?」
「来年も一緒に星を見ていたい…とか」
当たり前のようで、当たり前じゃない。
こんなたわいのない時間も、僕らには願わなければならない事なのかもしれない。
「そうだね…そうだ」
ジョーはフランソワーズに向かいあい、抱きしめると
「僕も同じ願い事してもいい?」
と呟いた。
フランソワーズはジョーの胸に顔を埋め、コクリと頷いた。
2017.7.7
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