
ムシノイドコロ
「あぃたっ!!」
ベッドから落ちた。
頭を押さえて起き上がる。
隣にいる人がいなかった。
…で、転がり落ちた。
そうゆう仲になってから、殆どは隣で寝ているが、お互いに部屋もあるし、お互いに独りでいたい夜もある。
さて…昨日は何をやらかしてたんだ…。
打った頭を振りながら考える。
もう一度ベッドに上がり、ど真ん中であぐらをかく。
「う~ん…」
そんな大それた事ではなかった。
ただお互いにムシの居所が悪かっただけだ。
オンナノコ?
あぁジェット絡みだな。
アイツがコヤナギ研究所に遊びに行ったのが不幸の始まりだ。
フランソワーズに僕の事をないことないこと報告した。
…かなり盛ってたな。
確か…一緒にお昼食べる研究員のオンナノコが半年先まで予約で埋まってる…って。
人気お取り寄せ店かよっ。て話だ。
そりゃあさ、同期のオンナノコと食事する事だってあるだろ?
話だってがっつり理系だよ。
それ以上でもそれ以下でもない。
いつもなら笑い飛ばすのに、ジェットの話を真に受けて、怒り始めた。
こっちもカチンときた。
僕の事が信用できないのか?と。
あそこで変な言い訳しても余計怪しくなるものだ。
「お昼もオンナノコも日替りなのね」
そんな男に見えるのか?
そりゃあ言われても反論できない後ろめたさはあるさ、でもキミとそうゆう仲になってからは、そんなことはないだろ?ないだろ…う~ん…。
謝りたくはない。
何も悪いことしてないし。
でも…。
毎日ベッドから落ちるのは嫌だ…。
…というかキミの柔らかい肌がないと安眠出来ない…。
抱き枕かよ…。
違う違う!!
頭をガシガシ掻きながら、立ち上がる。
とりあえずは朝陽がきれいだとかなんとか理由付けて会いに行こう。
部屋の扉を開けたら、そこには会いに行こうとしていた人が。
「…朝陽が綺麗だったから…伝えに来たの」
見上げた瞳は潤んでいて、言おうと思っていたつまんない言葉がみんな吹っ飛んだ。
扉を閉めると、キミを思いきり抱き締めた。
2016.1.4