
tree
「大丈夫?」
フランソワーズは見上げる。
自分の背の高さよりはるかに高いツリー。
リビングの高い天井に届きそうなほどのツリー。
ハシゴを掛けないと上の方にオーナメントを飾る事が出来ない。
ここに住み始めた最初の年に、天井が高いんだからと大きなツリーを買った。
最初はみんなで賑やかに飾り付けをしていたが、今年は2人の飾り付けとなった。
ハシゴ…というより脚立を立てて、ジョーが天井の飾り付けをする。
「毎年思うけど、これショッピングモールにある巨大ツリーより大きくない?」
ツリーの上からジョーの声。
「さすがにそれはないんじゃない?」
フランソワーズが脚立を押さえたまま見上げている。
「よし、と、降りるよ」
手の届かない所を飾り終え、ジョーが下のフランソワーズに合図する。
「いいわよ、押さえているから」
ジョーはにやっと笑うと、脚立を少し揺らす。
「何するの⁈」
フランソワーズが驚くと、ジョーは天井から飛び降りる。
「きゃっ!」
フランソワーズはジョーが脚立から転落したのかと思い驚く。
羽根が落ちたようにふわっと着地する。
着地するとぱたっと倒れる。
「ちょ…ちょっと、大丈夫?」
綺麗に着地したのに倒れたので、心配になったフランソワーズはジョーに近づく。
倒れたまま動かないジョーを仰向けにして膝に乗せる。
「大丈夫?」
頭でも打ったのか?でもどこもぶつけた様子はない。
だんだん心配になり、博士に連絡しようと膝枕していた頭を降ろそうとすると
「え、もう終わり?」
目をぱっちり開けてフランソワーズを見ているジョー。
「お、脅かさないでよ!」
「こんな位で意識を失いません」
「もう!」
フランソワーズは起き上がったジョーを確認すると、立ち上がろうとしたが、ジョーに押さえられ抱きしめられた。
「心配してくれたんだ」
抱きしめたジョーの腕からするりと抜けるフランソワーズ。
「そんな暇はないの、まだまだやる事がいっぱいあるわ、早くしないとみんなが帰ってきちゃう!」
「あーあっ、いつになったら2人きりでクリスマスを過ごせるのかなぁ」
渋々起き上がり、倒れた脚立を起こすジョー。
「クリスマスは賑やかな方がいいじゃない、はい、まだオーナメント飾らないと」
フランソワーズはジョーにオーナメントの入った箱を渡す。
「誰だよ、こんな大きなツリー買ったのは!」
ぶつぶつ言いながら飾り付けをしているジョーをフランソワーズは笑いながら見守った。
2015.12.5