kiss
Sleeping Princess
彼のキスは、私を甘やかす。
それはとても優しく
幸せな気持ちになる
彼の気持ちが、言葉にならない想いが
唇から流れ込むような…。
でも
何だろう
ここ数日の彼のキスは
悲しみしか感じられない
切なく
どうしようもないくらい
何かを望んでいるのに
私は
身体の動きを遮るような深い沼のような所から抜け出せない
私はここにいるのに…
あなたが悲しそうにキスをする唇は
私の
イレモノ
そこに心はなく
私は叫ぶ
私はここにいると
ふわっと身体が軽くなったような感覚
入れ物に
心が
ふっと
入るような
あなたのキスで
まぶたを開く
そこにいたのは
「よかった…」
あなたは私の前で平気に涙を流す
「キスを」
「?」
「お目覚めのキスをお願い」
やっと心が身体に戻ったのよ
悲しいキスはもういや
私を甘やかすキスを頂戴
Crybaby prince
キミにキスをする
柔らかい唇に
唇を離すとキミが微笑む
その笑顔が見たいからまた
キスをする
キミの前では強くなれない
どんなに強くなりたい
キミを護りたいと思っても
こうして
キミを危険に晒している
無力な自分が嫌になる
そしていつも
キミに助けられる
どんなにキスをしても
微笑む事がなく
ただ
眠っている
泣きたくないのに
涙が溢れてくる
自分達の運命や
彼女を幸せに出来ない自分の不甲斐なさ
考えれば考える程
泣けてくる
キミの髪を撫でる
帰っておいでとキスをする
ピクっ
動いた…気がした。
ゆすって起こしたい衝動に駆られた
ゆっくりと
まぶたが開く
「よかった…」
キミはあの笑顔でキスをねだる
もう
悲しいだけのキスは嫌だ
そう思った
2019.5.23〜6.5