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フユノマボロシ

ホワイトアウトの中にいた

 

 

流石の僕もこの中で生きられる自信はない

 

 

 

どこまでも白い景色と耳を裂くような轟音の中でジョーは絶望的な気持ちになっていた。

 

 

白い恐怖に必死に戦っていると

ふと目の前にロッジが現れた。

 

 

「助かった!」

 

ジョーはロッジの方向に走り出す。

 

 

ドアを開けた瞬間、切り裂くような轟音がぴたっと消える

 

「おかえりなさい」

 

そこで笑顔で立っていたのは

 

 

フランソワーズだった。

 

 

そんな訳ないと頭では思う。

ここにロッジがある自体

フランソワーズが笑顔で迎える事自体

 

そうだ

 

僕は死んでしまったのか…。

 

「何ぼんやりしているの?ちょうどスープが出来たところなの、さ、座って」

 

フランソワーズは温かいスープを出してくれた。

 

「美味しい」

 

食べ終わると、暖炉の前でうとうとした。

フランソワーズが膝枕をしてくれた。

 

きっと…

吹雪の中気を失っているのだと

これは自分の見ている夢なんだと

フランソワーズの手がジョーの髪を撫でる。

 

その感覚はいつものもので

もうこのままでいいかな…なんて思う

 

外の様子なんて

今自分が追っていた者なんて

自分の…

 

運命なんて

 

 

え?

 

誰かが呼んでいる…

 

え?

 

 

フランソワーズ?

 

 

「フランソワーズ?」

 

「どうしたの?」

 

「呼んでる…」

 

「何を言っているの?」

 

「フランソワーズが呼んでる!」

 

「ジョー!何を言っているの?私はここに!」

 

 

ジョーは立ち上がり、ロッジのドアに向かう

 

 

「ダメ!ジョー!その扉を開けてはいけない!!!」

 

 

扉を開けた瞬間…

 

 

裂けるような轟音と共に

 

全てが白に覆われた

 

 

 

illusion pilot

2018.12.24

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